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  | ■Yagimai Wonderland!!/TPDライブレポート 川村知砂+Les,TPD「WANNA DANCE!!」 ライブ
 1995年11月22日(水) 渋谷ON AIR EAST
 
 さてさてさて、10月1日に突然東京パフォーマンスドールを卒業させられてしまった川村知砂+Les,TPD(木伏夏子・関ひろみ)ですが、そのTPD卒業後初のライブが11月22日、渋谷ON AIR EASTで行われました。
 実はこのライブ、あまり期待してなかったのです。というのも、いくらLes,TPDがTPDを凝縮させたものであっても、その凝縮された過程でそぎ落とされた”遊び”の部分も、TPDのライブでは重要なファクターであったので、正直それなしで90分持つかなあ、と思っていたのですね。さらに、それぞれソロ指向のLes,TPDでは、ユニットとしての将来も暗いものがあるし。
 そんなことで臨んだこの日のライブだったのですが。
 
 午後7時を少しまわったころ、狭い会場内にスモークがたかれ、さあ、いよいよ心配なライブが…(笑)。
 硬質なベードラのサウンドが少し重めのビートを刻みだし、暗闇の中から3人のシルエットが浮かび上がる。
 『気持ちはING』。
 オープニングからいきなりの総力戦だ。ステージ中央には赤と黒のコスチュームをまとった川村、上手に緑を基調とした木伏、下手に青の関。3人がステージ狭しと動きまわり、これまで見せたことのなかったような激しいダンスを見せる。TPDの中で常にダンスによる理想形を追い求めた3人、さすがにダンスのフォーメーションは完璧に近い。開演前の心配が。いきなり吹き飛ばされてしまった。
 2曲目は『check my heart』。この誰もが思いつきそうな何のひねりもない曲順。これも”ダンスを見てくれ”という意識のあらわれか。
 短いMCをはさんで、TPD時代の川村の持ち歌が続く。『Shadow Dancer』『きっと愛はLady First』『マリオネット』『DAMAGE CONTROL』。かぶっていた帽子を、客席に投げ込む3人。くう〜っ。川村のリードヴォーカルにからむ、2人のコーラスも見事だ。スリリングなハーモニーが、ますますライブ感を盛り上げる。すでに会場は超興奮状態。今だかつてこれほどタイトなライブを、見たことがあるだろうか。
 つづいて3人によるMC。ここではじめて20代前半の女の子という、彼女等の素顔が垣間見える。
 
  仲の良いところを見せる3人。結束も固そうだ。
  | 川村: | 突然、東京パフォーマンスドール卒業っていうことになってー。 |  
  
  | 関: | ダンスも新しい動き、セクシー系なんかもとり入れて。 |  
  おい、男にされてるぞ、川村・関(笑)。
  | 木伏: | そう。男子2人には苦手な。私は唯一の女子として(笑)、 |  
  『もっと激しく』(表記不明)。タイトル通りの激しいダンスを見せる3人。それに煽られたか、客席のボルテージも一気に高まる。
  | 川村: | 川村知砂+Les,TPDとなってはじめての新曲です。聴いてください。 |  と、ここで突然の静寂が訪れる。木伏・関がハケてステージ上一人になった川村を、やわらかな青い光が包みこむ。
 『想い出の中へ』。ミディアムテンポのバラードナンバーだ。しばしのやすらぎに、心を奪われる客席。ノンストップのダンスショウに、はじめて訪れた空白だ。そしてまた、これが最後の空白にもなるのだが。
 静寂を破った強烈なスクラッチに、踊るように関が飛び出す。
 『土曜日だけはキミのために』。
 関は、歌うときは絶対に瞬きをしない。常にキッと、客席を睨みつける。う、また目が合ってしまった(ような気がする/8月のアートスフィアに続いて)。川村と木伏を従えた関のボーカルというのも、なかなかいいものだ。
 関のソロ曲のあとは、当然のごとく木伏のソロ、『All or Nothing』。最近メキメキと実力をつけてきた木伏、ボーカルもダンスも、安心して見ていられる。それにしても「なっちゃーん」のかけ声は、どうにかならないものだろうか(苦笑)。
 ここからTPDメドレー。聴き覚えのあるイントロに、耳を疑う。え、まさか、『WHOOPEE DAYS』?と見せかけて『CATCH!!』(笑)。そして、その流れで今度こそまさかの『キスは少年を浪費する』。こんなところで小室節に出合えるとは夢にも思わなかった。『Airport』『NAI』で見せた懐かしいフリも含めて、TPD時代から応援してくれたファンへの、彼女等からの恩返しか。
 メドレーのあとは、『バッド・ディザイアー』。TPDのライブでは川村の定番だった曲だ。会場の盛り上がりも、さらに激しさを増す。
 『DO IT!!』。川村のハードなラップに、客席も「ヒューヒュー」で応える。これが川村だ。これがLes,TPDだ。
 
  TPDでの川村の最後のシングルとなった、『DANCE FOR YOUR FUTURE』。サビのメロディにあわせて拳を振り上げる客席。ステージ上の3人もアドリブ的な掛け合いで客席を盛り上げる。これも、今年になってから川村が身につけたものだ。客席とステージとの2wayのコミュニケーション。やっぱりライブは、こうでなくっちゃあ。
  | 川村: | 今日はどうもありがとーっ。最後の曲でーすっ。 |  熱烈な手拍子と歓声が呼んだ、アンコール。
 
  『気持ちはING』。もう止まらない、誰も止められないこの疾走感。ハードなダンスを展開する3人に、客席も黙っちゃあいない。客席で肩車するやつ(笑)。川村がステージ上から下りなさいと目で訴える。それでも下りない。係員に下ろされる(笑)。
  | 川村: | 今日はどうもありがとうございましたーっ。これが本当に最後の曲でーすっ。 |  エンディングとともに手を振って下手(しもて)へ消えていく3人。3人の充実した表情は、新しい何かをつかんだのだろう。客席は、しばし高まった興奮から逃れられなかった。
 
 興奮した観客がつぎのターゲットにしたのは、そこにライブを見にきていた旧TPDのメンバー(笑)。
 あ、やばい、もうこんな時間(笑)。
 この話は、気のむいたときに(笑)。
 
 これから川村知砂+Les,TPD学祭(武蔵工大)。
 ああ、忙しい。
 
 
 
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